『嫌われる勇気』『 幸せになる勇気 』でおなじみ
アドラー心理学の課題の分離を取り入れた祝辞だよ。
いつもまわりの顔色ばかりうかがっていた中学生のふぉとんに、それは貴方が背負う課題じゃないよ!って言ってあげたかったんだよね。
心の奥底に未解決な問題が残っていて、いまだ生きづらい大人のふぉとんに向けて訴えてる感も否めない… 否めない… 否めない…
1,389文字。スピーチにかかる時間は4分30秒~5分です。
桃の香りに、春の訪れを感じる季節となりました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 保護者の皆様、子どもたちが、こんなにも立派に成長し、今日の良き日を迎えられたことを、 心よりお祝い申し上げます。
○○校長先生をはじめ、教職員の皆様、真の学びの場を作り、子どもたちが自分の尊厳を取り戻し、自分の居場所を見つけられるよう、強い信念をもって、ご指導いただきましたことに、心より感謝申し上げます。
また、日頃から〇中の生徒たちを温かく見守ってくださっているご来賓の皆様、ご多忙にもかかわらず、生徒たちの晴れの舞台に、多数ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。
さて、本日、皆さんの卒業にあたり、わたくしから「自分自身を生きること」について、メッセージを贈りたいと思います。
皆さんは、この春から、新しい環境のなかで、新たな一歩を踏み出すことに、大きな期待と不安を抱いていることでしょう。
もしも今、不安で押し潰されそうな気持ちを抱えているなら、そんな自分を責めないでください。そんな自分を許してあげてください。
皆さんはこれまで、泣いたり、落ち込んだりすることは、よくないことと教わってきたかもしれません。前向きにならなければいけないと、無理してがんばってきたかもしれません。
だけど本当は、そうやって感情を否定し、感情に蓋をしてしまうから、心の奥底に未解決な問題が残り、それがあなたを支配し、苦しみ続けることになってしまうのです。
明るくしていなければ、まわりの人が心配するかもしれませんね。叱られるかもしれませんね。
でもね。あなたの人生の主役は、あなたです。あなたの人生は、あなたのものです。
まわりの人の気持ちを満たすために、自分に嘘をついて、平気なふりをする必要はないのです。たとえ家族であっても、人の感情はその人自身が乗り越える課題です。あなたの問題ではないのです。
誰かに愛されたくて、誰かの期待を満たす生き方を選んでいると、認めてもらうことを願うあまり、いつのまにか、他の人の人生を生きることになってしまいます。
自分の価値を自分が決めること。
それが「自分自身を生きること」です。
不安や苦しみは、あなたを傷つけるために、やってくる感情ではありません。あなた自身ですら忘れてしまっている、あなた本来の素晴らしさに気づき、本当の自分を取り戻すために、やってくるのです。
ですから、あなたが胸の痛みを感じるときは、その感情をしっかりと感じ切ってください。
そうすると、その胸の痛みが、あなたに何を伝えようとしていたのか、わかるようになります。そして、あなたがあなたを癒し、あなたがあなたを認め、あなた自身を愛せるようになるのです。
「自分自身を生きる」と決める。その決断、その覚悟、その勇気が、満ち足りた幸せな現実を創り上げるのです。
嫌われるのは怖い。見捨てられるのは怖い。愛してもらえないのは怖い。だから、誰かに合わせてしまう。そうした行動をすぐに変えることはできなくても、せめて自分の心のなかだけは、自分が感じた感情をなかったことにはしない。
そう考えることが、あなた自身の本当に意味のある現実を創ります。皆さんが、まずは、その一歩を踏み出せることを願い、わたくしの挨拶とさせていただきます。
ご卒業、心からおめでとうございます。
平成〇〇年三月〇日
〇〇中学校PTA会長 〇〇〇〇
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